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Rodney King - フロイドさんの死と92年ロス暴動

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全米の関心事となった、ジョージ・フロイドさんの死。日本でも多くの人々がニュースをフォローしていると思いますが、アメリカ人は1992年の「ロス暴動」のきっかけとなったこの人を思い起こさぜるを得ないのです。


 Rodney King 
ロドニー・キング


キング氏は、スピード違反でパトカーに追いかけられたことをきっかけに、カーチェイスの末、警官により車から引きずり出され暴行を受けました。その様子を撮影したビデオが全米で流れ、92年のロス暴動につながったのです。
⇒ 
ロドニー・キング氏とは

周りのアメリカ人と話してみてください。「この事件はロドニー・キング事件よりひどいんじゃないか?」などの言葉が聞こえてくるでしょう。当時のアメリカには相当ショッキングな事件でしたし、今回のフロイド事件では彼は死亡していますから、その影響は計り知れないのです。



全米のメディアも、キング氏とフロイド氏を同じ視点から報じているようです。WSJの見出しを拾ってみましょう。

George Floyd Probe Echoes William Barr’s Oversight of Rodney King Case
ジョージ・フロイド事件の捜査は、ウィリアム・バー司法長官のロドニー・キング事件のミスを繰り返す

バー司法長官は、90年代にキング事件の対応を監督していたということです。

NYのクオモ知事も、この事件は単発の事件ではなく、「一冊の本の一章にすぎない」という立場、つまり、人種差別問題に根差したものだと述べています。

Rodney King の名前が最初に、そして George Floyd の名前が最も最近に列挙されています。


It is a continuum of cases and situations that have been going on for decades, and decades, and decades.
これは延々と何10年も起こり続けている事件や状況の連続なのです。

 continuum  連続

These are just chapters in a book.
これらは一冊の本の章に過ぎません。

And the title of the book is continuing injustice and inequality in America.
そして、この本のタイトルは、「アメリカに延々と続く不正と不平等」なのです。



日本社会では、表面的には人種差別というものが顕在化していないので、あまり日常的にこういう問題に関心を持たないかもしれません。

長くアメリカを見てきた自分にとっては、アメリカ社会には「二つの顔」があるように思います。

多くのアメリカ人には非常にに寛容で進歩的な一面がある一方で、一部では60年代の公民権運動の時代から人の心は何も変わっていないと思わせるような事件もなくなりません。

アメリカが戦うべき課題はコロナだけではない、フロイド事件はこのことを痛感させられる事件だと思います。
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