triage - 命の選別

Bioethicist Ezekiel Emanuel, a universal health-care advocate who helped write the Affordable Care Act, on some of the decisions that doctors across the country may soon face https://t.co/FQWDryjWFa
— New York Magazine (@NYMag) April 8, 2020
今回は心が痛む単語です。
コロナ禍の話題の中で、日本語でも「トリアージ」という言葉を使う人がいます。???と思ったことがある人も多いかもしれません。
triage
(治療対象者の)選別・格付け
(治療対象者の)選別・格付け
英語でも、そうそう使う単語ではないと思いますが、もともとはフランス語だそうです。「選択すること」「選別すること」という意味ですが、もっぱら、重症患者に対して医療のリソースが不十分であることから、治療に優先順位をつける、そういう意味として使われています。
Rescue workers performed triage on the wounded during a disaster drill.
災害訓練で、救助隊員たちは負傷者の救助に優先順位をつけた。
perform triage で「命の選別をする」という意味です。動詞に perform を使うと格調高い英語になりますね。
また、「命の選別」「究極の選択」といった、極限状況にも使われます。
Physicians are facing the prospect of large-scale triage that some say resembles the stark choices of war.
医師たちは、戦争のような厳しい選択に似ているとされる、大規模な命の選別を迫られている。
一方、triage は、厳しい選択を迫られるという意味において、医療以外の文脈でも使われます。
The government needs to implement fiscal triage on its spending.
政府は、財政支出の取捨選択を行う必要がある。
ここでは、 triage は財政支出の「取捨選択」という意味になりました。
いかがでしたか?
簡単に「トリアージ」といっても、実際の英語で使うには、重い文脈に加えて、高度な英語の周辺知識も必要になります。軽々しく口にしてほしくはない言葉ですね。