overshoot - カタカナ専門用語はやめるべき

昨夜私がovershoot coronavirus でググったらNHKの英語記事が上位にヒットしたくらい、他に(その用例で)用いたものがなかった。https://t.co/rBhRwXzuRX
— Mami Tanaka (@mami_tanaka) March 20, 2020
連日、カタカナ語の多用や誤用について警鐘を鳴らしていますが、今回はかなり悪質です!
先週の政府のウイルス専門家会議の資料に overshoot が「感染の爆発的な急増」といった用語として使われたことから、政治家からメディアまで、一斉に「オーバーシュート」という用語を使い始めました。
しかし、これは感染症の専門用語かもしれませんが(私自身は知りません)、通常の英語としては、そういう意味にはならないのです。普通なら surge 「急増」といったところでしょう。
実際に、The Japan Times のネイティブエディターにも「こんな overshoot なんて用語をそのまま出しても伝わらないよ」と言われたところです。
クラスター 集団感染
— 河野太郎 (@konotarogomame) March 21, 2020
オーバーシュート 感染爆発
ロックダウン 都市封鎖
ではダメなのか。なんでカタカナ?
コロナ対策の現金給付
— 内藤 陽介 Yosuke Naito (@YosukeNaito1) March 22, 2020
「2万円ではシャビー」
またカタカナ語を使っていますね。 最近ホント多くて困ります。 #甘利明 #コロナウイルス #現金給付 #英語学習 #英会話 #英語 #naitoenglish https://t.co/XtncV6Ete5
クラスター、クラスターって、伝える側も伝えられる側も、意味を分かっているのでしょうか?カタカナ語の多用には気をつけたいものです。#コロナウイルス #クラスター #感染症 #英語学習 #英会話 #英語 #naitoenglish https://t.co/4BZAoMLXcc
— 内藤 陽介 Yosuke Naito (@YosukeNaito1) March 9, 2020
せっかくなので、本来の overshoot の意味を見ておきましょう。
overshoot
行き過ぎる、飛び越える、外す、度を超える
行き過ぎる、飛び越える、外す、度を超える
一般的なのは、強くやりすぎて、狙った地点を超してしまうような状況ですね。
滑走路への着陸などです。
The aircraft overshot the runway by 100 meters after it crash-landed.
その飛行機は、不時着したあと、滑走路を100メートル超過した。
目的地を外してしまうという意味もあります。
I overshot my station while sleeping on a train and had to travel back.
私は電車で居眠りしているあいだに目的の駅を通り過ぎてしまい、戻らなければならなくなった。
マスコミの役割は、多くの人々に分かりやすく情報を伝えることであって、表面的に専門用語を使ってインテリを気取ることではないはずです。また政治家がこういう用語を使ったら、ちゃんと日本語にして伝えるのが役割でしょう。コロナ感染拡大という大きな現象の渦中にあるわけですから、ぜひ肝に銘じていただきたいと思います。
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