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allegation - 英語は「容疑」と「真実」を書き分ける

allegation.png報酬を過少申告したとして逮捕された日産のカルロス・ゴーン容疑者が、その容疑を否定しているそうです。

今回は犯罪関連の英語でよく出てくる単語や、日英での使い方の違いについて見てみましょう。

 allegation 
(十分な証拠のない)主張、容疑、疑惑


この単語は3種類の品詞としてよく使われます。
 allege (動) (~が事実だと)主張する、申し立てる
 allegation (名) 主張、申し立て
 allegedly (副) (真偽はわからないが)~とされている

これらに共通するのは、「真偽のほどはわからないが
という点です。容疑者はあくまでも「容疑」をかけられているだけで
裁判でそれが確定して初めて convicted 有罪判決を受けるのです。

英文ニュースの世界では、こうした表現をきっちり書き分けるのが通例です。
各センテンスごとに allegedly などを入れて書きます。
日本では、報道姿勢も一般人の受け止め方も、いったん警察に捕まったら
「クロ」だという印象を持ってしまいがちですが、
欧米は警察権力にあまり信頼がないのか、誤認逮捕がよくあるのか、
「容疑者」の段階では慎重に書き分けます。

同じような使い方をする別の表現として
 suspect 
 (証拠なしに)嫌疑をかける
 on suspicion of... 
 ~の疑いで 
もあります。

日本語では「~したとして」くらいしか訳出できませんね。
このあたりにアプローチの違いを感じます。

記事から拾ってみましょう。

Carlos Ghosn, who was recently ousted as Nissan Motor Co. chairman after being arrested over an alleged understatement of his remuneration in securities reports, has denied the charge, sources said Sunday.
有価証券報告書で報酬額を過少申告したとして逮捕され、日産自動車会長を退いたカルロス・ゴーン氏が、容疑を否定していることが日曜日にわかった。

The ousted chairman has not commented publicly on the matter since his arrest last Monday by Tokyo prosecutors on suspicion of underreporting his pay package by around ¥5 billion ($44 million) for five years through fiscal 2014.
2014年度までの5年間にわたり約50億円の報酬を過少申告したとして東京地検に月曜日に逮捕されて以来、その追放された会長はこれについてコメントしてこなかった。

Greg Kelly, Nissan’s representative director, who was arrested the same day as Ghosn for alleged participation in a financial conspiracy, has also denied that Ghosn’s salary was falsely underreported in the company’s securities reports.
ゴーン氏と共謀したとして共に同じ日に逮捕された代表取締役のグレッグ・ケリー氏も、有価証券報告書にゴーンの報酬が虚偽に過少申告されたことを否定している。


このように、欧米のメディアは(真偽が確定していない)「容疑」と(確定した)「犯罪」を書き分けるのがルールなのです。

逆に逮捕された側も、本当にやっていても裁判で勝つために容疑を否定し続ける傾向もあるでしょう。
真実はさておき、法廷論争で勝てばよいという考え方が見え隠れします。
英文ニュースに接するときは、注意してみてください。


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