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I'm me - 大坂なおみ選手「私は私」

naomi.png全米オープン優勝、そして東レ・パンパシではちょっと残念でしたが準優勝、これらの余韻がまだ冷めやらぬ大坂なおみ選手だと思います。
彼女のさらなる躍進に期待していますが、どうも一連の展開のなかで「人のアイデンティティーとは何か」という問題が気にかかって仕方ありません。


 I'm me. 
私は私。


大坂選手のことばです。別の英語では
I'm what I am.
とも言えると思います。

ご存じのように、彼女はハイチのお父さんと日本人のお母さんの娘で、ほとんどアメリカで生活しています。
日本とアメリカの二重国籍を持っています。
そんな大坂選手が全米オープンで女王セリーナ・ウィリアムズ選手を破ったとき、それは「日本人の快挙」だったのでしょうか?それともハイチでしょうか、はたまた彼女を育てたアメリカだったのでしょうか?

ウィリアムズ選手が敗退し、アメリカは困惑しました。アメリカは諸手を挙げて喜ぶことを躊躇しました。
大坂選手自身も困惑したようで、「勝ってしまって申し訳ない」的なコメントをしていましたよね。
一方、日本のメディアは日本語の不自由な大坂選手を「日本のなおみ」として大々的に報じていました。

国を背負って立つような世界の大舞台で活躍する人にとって、国籍やアイデンティティーはそれほど重要なのでしょうか?
本人たちは気にしていないのに、周りが「国の手柄」にしたくて仕方がないのかもしれません。

リンク先のAP記事がまさに問題提起をしています。

Naomi Osaka’s victory in the U.S. Open has added her to a growing list of athletes, Nobel Prize winners, and beauty pageant contestants who have raised the issue of what it means to be Japanese.
大坂なおみ選手が全米オープンで優勝したことで、彼女は多くのスポーツ選手、ノーベル賞受賞者、美人コンテスト参加者たちと同様に、日本人であるとはどういうことかという問題を提起することになる。
 athlete  スポーツ選手
 beauty pageant  美人コンテスト

“For me, it’s just who I am,” she said. “When someone asks me a question like that, it really throws me off because then I really have to think about it. I don’t know. I don’t really think that I’m three separate — like mixes of whatever. I just think that I’m me.”
私にとって、それはただ私自身。誰かにそんな質問されたら、私はほんと困ってしまうの。真剣に考えないといけないから。わからないわ。私は3つの何かが混ざったようなものじゃないと思う。ただ、私は私だと思うの。


The Japan Timesというバイリンガル職場で働いているので、こういう気持ちは切実にわかります。
顔も名前も日本人、でも言葉も文化もアメリカンな人がいます。
日本人だけれども、海外生活が長すぎて日本の「空気」が読めない人もいます。
名前は欧米の名前だけれども、言葉も文化も「純和風」レベルな人もいます。
それぞれに個性があって、みんな良き仲間です。

I'm me でいいのではないでしょうか?
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