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脱炭素めぐり温度差 COP26が閉幕

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イギリスで開かれていたCOP26が閉幕しました。石炭火力の「段階的削減」などを盛り込んだ成果文書を採択しましたが、脱炭素へむけての取り組みには温度差が浮き彫りになったということです。


 脱炭素 
decarbonizing


最近「脱炭素」ということばをよく聞きますが、このようなビッグワードには注意が必要です。字面から受ける印象が抽象的で、定義がよくわからないからです。

 decarbonizing  脱炭素
 decarbonize  脱炭素化する
 decarbonization  脱炭素化

などと派生して使われますが、文字通りには「炭素を除去する」です。

気候変動のコンテクストで初めて意味が伝わるものです。decarbonize などといわずに具体的に書いた方がいいでしょうね。

curb greenhouse gas emissions
温室効果ガスを抑制する

reduce dependence on fossil fuel
化石燃料への依存を減らす

などとしたほうが確実です。実際、報道の英語などではあまり decarbonize とは言わないように思います。



 記事の英語 

Participants also agreed that accelerated action is necessary this decade to address global greenhouse gas emissions, as they wrapped up the nearly two-week conference in Glasgow, which was extended by one day.

グラスゴーでほぼ2週間にわたって行われ、さらに1日延長された会議を閉幕するにあたり、参加者たちは2020年代に温室効果ガスの排出に対処するために行動を加速させる必要があるという点でも一致した。

 address  対処する



もう昔になりますが、私はThe Japan Timesで環境問題担当の記者をやっていた時に、京都で1997年に行われたCOP3を取材した経験があります。

その時もいろいろ揉めた末に延長がなされ、取材チームみんなクタクタになった思い出があります。

気候危機については、原因と結果の因果関係や影響が顕在化するタイミングなどの問題で、国の利害が優先して問題への対処が遅れがちになります。

残念ながら、このことは昔からなかなか変わらないようです。26回もやってるのにまだこの場所か、という思いがあります。


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