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衆院選 自民が絶対安定多数を維持

spm (1)

今回の衆院選、フタを開けてみれば自民が絶対安定多数を維持しました。

維新も大躍進のようです。


 絶対安定多数 
absolute stable majority


今回はおさらいの意味も込めて、「多数」「過半数」にもいろいろあるということを理解しておきましょう。

過半数」といえば majority ですが、選挙の議席に関する「過半数」の種類には次のようなものがあります。

 simple majority  過半数(単純多数)

これは単に半数を超えるものです。

 single-party majority  単独過半数

これは自民なら自民の一党で過半数を確保することです。連立政権を組む必要がなくなります。

ここからはややこしいのですが、「政権与党が国会で安定した国政運営を行うために必要な議席」という意味での majority です。

 absolute stable majority 
絶対安定多数

全ての常任委員会で委員長ポストを独占し、かつ過半数の委員を与党が確保する状態です。中立的な立場を取ろうとする委員長の採決なしでも、与党議員だけで法案が通せるのです。

NHKはこのように訳していますが、正直あまり聞かない言い方かもしれません。日本の国会の仕組みに沿った英語ですから、英米ではもともとこういう言葉の定義はないのだと思います。

 comfortable majority 
安定多数

委員会の議席のうち、委員長ポストはすべて確保できるが委員の半数を与党が占める状態で、委員は与野党で拮抗しています。賛成と反対が同数になった場合、委員長に採決が委ねられるため、形としては与党の意思が通るわけです。



 記事の英語 

Prime Minister Kishida Fumio's party secured what's called an absolute stable majority, even without the help of its coalition partner. This ensures it can easily shepherd bills through the House.

岸田文雄・内閣総理大臣の政党は、連立政権のパートナーの助けなしに、いわゆる絶対安定多数とよばれるものを確保した。このことで、自民は容易に衆院で法案を成立へ導くことが確実になる。

 shepherd (法案などを成立へ)導く



今回の最大の敗北者は、改選前議席を割り込んだ立民だったようです。

アベノミクス、格差社会、コロナ、東京五輪などの大きな issue があったにもかかわらず、2009年の政権交代時とは社会も有権者の関心も明らかに違っていたように感じます。

民意は民意として受け止める必要がありますが、日本の政治は簡単には変わらないですね。
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