リスニング10秒耐久 - ABC Newsを「精聴」(1)
英語のリーディングを鍛えるために「多読」と「精読」を組み合わせようとよく言われますが、リスニングも同じように「多聴」と「精聴」を組み合わせることが上達の早道だと思っています。ちなみに「多聴」と「精聴」は造語と思います。
僕が日常的にやっていることをご紹介しましょう。アメリカ大手TV局のABC Newsのビデオクリップを毎日ふとんの中でざっと視聴して寝るのですが(笑)、ときに「精聴」がリスニング向上に役立ちます。
ニュースを素材に選ぶのは自分の仕事柄ということもありますが、政治、経済、社会からエンタメまで毎日いろんなネタがあるので、特定の分野に偏らずにバランスよく英語力を維持向上できるからです。
埋め込みのクリップを聴いてみてください。
冒頭10秒を完全ディクテーションできますか?
一字一句をきっちり文字に起こすのは意外に難しいでしょ?ビデオクリップ全体としては意味がわかるし、それほどフラストが溜まらずに最後まで聴けても、「精聴」には語彙力に加えて文法力も必要です。
SV, SVO, SVOCのように完全な文章として完結せずに、キャスターがパンチある形で伝えるためにbe動詞を省略した「ニュースの見出し」の書き方でたたみかけてくるパターンがよく見られます。ヘッドラインの英語はまた別の機会があればご紹介したいと思います。
このキャスターさんはDavid Muirですね。ダンディーでカッコイイ、お気に入りです。彼は比較的ゆっくり噛み砕くように喋ります。
では、ネタバレです。ささっと起こしたのでカンマのつけ方などの細かい点はご容赦ください。
Powerful nor'easter set to slam the east coast. 70 million Americans from North Carolina all the way up to Maine, about to get hit with this. (0:07)
北米東海岸を襲った大嵐ですね。この冬、北米は猛吹雪やインフルで本当に大変でした。
このクリップ冒頭を聞き取るキーワードは
nor'easter アメリカ北東の大西洋岸を襲う嵐、ノーイースター
get hit with...〜で打たれる
get hit with thisが聞き取りにくいかもしれませんね。
簡単な単語の組み合わせほど、非ネイティブにはわかりづらいものです。
だから「中学レベルの単語で何でもOK」みたいなのは、日本人英語学習者にとっては実は幻想なのです。
10秒を余裕で耐えた人は、20秒、30秒と伸ばしてみてください。
大事なのは、大ざっぱに長時間耐える「多聴」と、細かくこだわって文字起こしする「精聴」という緩急の組み合わせです。自分にあったバランスを探してくださいね!
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