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focus/epicenter - モロッコ地震 死者2000人超える

tpakのコピー
モロッコで発生したマグニチュード6.8の地震で、これまでに少なくとも2012人が死亡しました。震源地に近いマラケシュでは世界遺産に登録された旧市街に被害が出ました。

今回は「震源」や「震源地」として用いられる2つの英単語を解説してみたいと思います。


 epicenter 
→地底にある震源を上空から見たときの地表点で、専門的には「震央」を指す
 focus 
→地底で実際に断層の破壊が発生した点で、専門的な意味での「震源


一般に、日本語の報道では「震央」という言葉は使わずに「震源地」と呼んでいます。
また、普通の人は「震央」「震源」「震源地」の区別をせずに、全部「震源」ではないでしょうか?
地図上のXは「震央」のことです。


The focus of an earthquake is the point where the rocks start to fracture. It is the origin of the earthquake.
地震の震源(focus)とは、岩が崩れ始める点のことで、地震の発生点を指します。

The epicenter is the point on land directly above the focus.
震央(epicenter)とは、震源(focus)から真上に伸びた地表点を指します。


地震学的な違いを踏まえた上でepicenter / focusの意味を英語で説明できれば、一目置かれるかもしれません。

discharge - 福島第一原発の処理水 海洋放出を開始

discharge.png
ついに始まりましたね。

東京電力は24日、東京電力福島第一原発にたまる処理水を太平洋に放出する作業を開始しました。


 discharge 
放出する・排水する


今回は、意外に使い方が難しい、discharge を見ておきましょう。

まず、discharge の基本的な意味は「解く、放つ」ことです。

ここから「放出する、解放する、排水する、退院させる」などに派生します。

特に「退院」はよく使いますね。

He was discharged from hospital after three days.
彼は3日後に退院した。
(他動詞であることから受身形となることに注意)

The suspect was discharged from police detention.
その容疑者は、警察による勾留を解かれた。

The GSDF general was discharged from duty after his health worsened.
その陸自の大将は、健康を崩したのち任務を解かれた。

どれも  release  自由にする・解放する・放つ

と同じように使うことができます。



処理水の海洋放出は、政治問題化しています。これを機に、中国は日本産のさまざまな水産物を規制して外交カードとしているようです。

一方で、科学的に処理水は安全だとされていますが、何十年という長期スパンでどうなるのか、その時にならないと分からないのかもしれません。

devastating - ハワイ・マウイ島の山火事は「壊滅的」

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日本では夏休み真っ盛りですが、ハワイは大変なことになっています。

マウイ島で発生した 山火事から1週間が経過し、死者は106人に達したと報じられています。

アメリカの山火事の犠牲者としてはこの100年余りで最多となる大惨事です。


 devastating 
壊滅的な・破壊的な


元となる動詞は

 devastate  破壊する・ずたずたにする

ですね。これが形容詞化したものが devastating です。

このニュースでは、wildfire「山火事」の被害状況をこのように表現していますが、災害や戦争だけでなく、devastatingは「身を引き裂かれるような」、「心がずたずたになるような」という意味にもなります。

一例として、devastating experience は、「身を引き裂かれるような辛い経験」です。

また、人が主語となって「心がずたずたになる」と表現したい場合は、feel devastated などを使うと良いです。

devastated は、今風の「ズタボロ」にも使えそうですね。

He felt devastated when he got the test results.
テスト結果を受けて、彼はズダボロになった。 


 記事の英語 

Lahaina in pictures: Before and after the devastating Maui wildfires
写真で見るラハイナ: 壊滅的なマウイ島の山火事の前と後



山火事の原因は人為的な物から自然発火までさまざまですが、こうなってしまった以上は、被災地の再建に注力するしかありません。

報道では、ハワイの南を通過していたハリケーンによる強風で切れた送電線が火元になった可能性が指摘されています。






ビッグモーターの保険金不正請求、全ての車保険料に影響か

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中古車販売のビッグモーターによる保険金の不正請求問題が広がりつつあるようです。

同社の保険金水増しによって、すべての自動車保険契約者の保険料が割高となっている可能性があるそうです。


 不正請求 
fraudulent claim


この一連のニュースのキーワードは、「不正請求」だと思います。このときの「不正」は「詐欺的な」と解するとよいでしょう。

 fraudulent  不正な・詐欺的な

つまり、初めから「だまし取る」意図があるというニュアンスです。

一方、「請求」の英語は

 claim  請求 がよく使われます。特に

 insurance claim  保険金請求 は業界用語となっています。



fraudulent auto insurance claims
自動車保険の不正請求

という意味ですね。



この件に関わった大手損保の corporate governance企業統治・コーポレートガバナンス」への信頼も失墜しつつあります。

これら企業の株価は下落傾向にあるようです。

mortgage - 住宅ローン金利 大手5行が引き上げ

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日銀は先週、従来の大規模金融緩和策を修正し、これによって長期金利の上昇圧力が高まっています。

長期金利の影響を受ける代表格である住宅ローンについて、大手5銀行は早速8月からの固定期間10年の基準金利を引き上げました。


 mortgage 
住宅ローン


ビジネス英語が苦手な方には辛い単語かもしれませんね。

「住宅ローン」って、housing loan じゃないの?と思うかもしれませんが、それだけではないのです。

もともと mortgage には「抵当の意味があり、家屋などを抵当にして借りる融資のことも mortgage と呼びます。このことから「住宅ローン」そのものを指す使い方ができるのです。

buy a house on mortgage
家をローンで買う

という使い方ができます。また、

a house on mortgage 
抵当に入った家 ⇒ ローンが完済していない家

という意味にもなります。


上記も「住宅ローン」の意味ですよね。

 mortgage rate  住宅ローン金利

気をつけないといけないのは、「抵当権の有無」で、単なる金銭の貸し借りには使えない点です。典型的には家です。通常の貸し借りには lend / borrow を使いましょう。



先進各国に遅れて、日銀もようやく金利差を埋める方向に舵を切り出しました。

しかし、国民の実質的な給与レベルが上がってこなければ、外部環境ばかりがインフレで、暮らしはますます厳しくなるばかりです。

blow the whistle - ビッグモーター保険金不正請求 内部告発

blw.png
今話題のビッグモーター。この中古車販売大手がが保険金を不正に請求していた問題は、従業員の内部告発が発端だったと言われています。


 blow the whistle 
内部告発する


これはとてもこなれた英語で、ネイティブらしい表現です。

 whistle  

なのですが、「警告」の意味があります。スポーツなどで審判が反則行為に対して吹く警笛・ホイッスルという意味合いです。

このことから、blow the whistle には

・警告する
・内部告発する

の意味が出てくるのです。対称となるものは前置詞onで続けます。

blow the whistle on power harassment
パワハラを内部告発する

また、こうした警告を発する人、内部告発者

 whistleblower と呼ばれます。


p08wnxzt.jpg

ここにも書かれているように、アメリカのNSA(国家安全保障局)による大規模な個人情報収集を内部告発したスノーデン氏が有名ですね。



この問題には、自動車整備業界と損保業界の闇があると言われています。

実際より高額な保険請求でも「自分の腹は痛まない」からこそ、不正請求が横行するのだと思います。

一体誰が得をし、損をしているのでしょうか?

arsenic - 北海道の蒸気噴出 2700倍のヒ素を検出

ars.png
これは気掛かりな問題です。

北海道の地熱発電の掘削現場から大量の蒸気が噴出しています。ここの水からは飲料水基準値の2700倍の高濃度のヒ素が検出されたということです。


 arsenic 
ヒ素


なかなか普段は接することの少ないボキャブラリーかもしれませんが、毒薬がからむ事件などでときどき登場しますね。

また、化学物質のボキャブラリーは、生活の中で扱いに注意が必要な洗剤などで見かけることがあります。この手の化学物質には

 chlorine  塩素
 acid  

などがあります。ただ、これらはざっくりとした分類で、細かな化合物の名前は限りなく長くなっていきますね!

また、arsenic について、こんな表現があるのをご存じでしょうか?

 arsenic hour 
アースニック・アワー(ヒ素時間)

平たく言えば、
小さな子供がいる共働きの家庭で、夕方の非常に忙しくて気が狂いそうになる時間帯」のことです。仕事を終えて子供を託児所から引き取って帰宅し、食事を作って食べさせるのに多忙な時間帯です。

arsenic である必要があったのかどうかは不明ですが。

arsenic は日本語でいう「毒親」などの英訳に使えるかもしれませんね。



 記事の英語 

Toxic arsenic levels have been detected at a research site in Rankoshi, Hokkaido, as a well from the site continues to eject massive amounts of steam.

有害な濃度のヒ素が、北海道蘭越町の調査現場で検知され、そこの井戸は大量の蒸気を放出し続けている。



日本では地熱発電が有望視されてきましたたが、仮にこのような現象が多発するようでは、今後の開発は慎重に進めざるを得ないかもしれません。