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gaffe - バイデン大統領の「台湾防衛」は失言か?

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バイデン大統領の台湾に関する発言が話題になっています。

岸田首相との共同記者会見で、記者から問われた質問。中国が台湾に侵攻した際にアメリカが台湾防衛に軍事的に関与するかを問われ、Yes と答えました。このことが台湾ではトップ扱いになり、また米国内外でもいろんな観測を呼んでいます。


 gaffe 
失言


今回はこの単語を見ておきましょう。

もともとはフランス語由来で、「しくじり」「へま」「失敗」という意味もあります。ニュース英語で gaffe は主に「失言」という意味で使われているようです。

関連した表現がいくつかあります。

 gaffe-prone  【形】失言しがちな

日本の財務大臣・副総理を務めた「あの人」にもよく使われる形容詞ですね。

Gaffe-prone former Finance Minister Taro Aso
失言癖のある元財務大臣、麻生太郎氏

のように使います。

「失言」だけにとどまりませんが、このような表現もよく使われます。

 loose cannon  
【名】何をやらかすかわからない人物・危険人物

loose 「緩い」 cannon 「大砲」 から来ていて、いつぶっ放すかわからないという意味なのです。今は故人ですが、元都知事さんもこのようによく表現されていました。

Ex-Tokyo Gov. Shintaro Ishihara was known as a "loose canon" for his candid remarks.
元東京都知事の石原慎太郎氏は、自身の忌憚ない発言から「危険人物」として知られた。



 記事の英語 

Biden’s Latest Taiwan Gaffe Stokes Tensions With Beijing
バイデン大統領の台湾に関する直近の失言は、北京との緊張をかき立てる

 stoke  かき立てる・煽る



中国への刺激を避けるため、アメリカは台湾防衛について、「あいまいな態度」で明言を避けてきた経緯があります。

一説には、バイデン氏は外交問題をざっくりととらえて発言してしまう癖があるとか。今回の発言も、周りが深読みする必要はないのかもしれません。

IPEF - バイデン大統領が来日、「アジア太平洋」から「インド太平洋へ」

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バイデン大統領が来日しました。滞在中は岸田さんとの首脳会談や、日米豪印の4か国の枠組みに臨む予定です。

今回の来日で注目されているのが、米国主導の新たな経済連携です。


 IPEF 
インド太平洋経済枠組み



IPEFとは
Indo-Pacific economic framework

の頭文字をとったもので、abbreviation省略語」の一種ですが、アルファベットをそのまま読むのではなく、発音を別の単語のように読むものを acronym頭辞語」と呼びます。IPEFはアイペフと読みます。UNICEF や SWIFT なども acronym ですね。

もちろん、アメリカの狙いは中国主導の経済圏に対抗することでしょう。すでにTPPやRCEPなどの地域的な自由貿易の組がありますが、アメリカは参加していません。



こちらの記事から英語を拾ってみましょう。

Top Japanese and American economic officials have called for speedy implementation of Washington's proposed Indo-Pacific Economic Framework, as the U.S. seeks partners for an economic bloc to counter China's growing influence.

ますます高まる中国の影響力に対抗するために、アメリカが経済ブロックに加わるパートナーを求める中で、日米の経済担当の高官たちは、アメリカが提唱する「インド太平洋経済枠組み」の迅速な実行を求めている。



以前は Asia-Pacific「アジア太平洋」という地政学的な区分がよく使われてきました。しかし近年は Indo-Pacific「インド太平洋」をよく聞くようになりましたね。安倍政権時代から、free and open Indo-Pacific「自由で開かれたインド太平洋」というフレーズを外務省はことあるごとに使ってきました。

これは台頭する中国に対する有力な国がインドであるからでしょう。インドを含めた発想をしていかないと、この地域のバランスが保てないくらい中国の影響力が意味で大きくなっているのです。

日印は伝統的に友好国ですが、互いの政治経済システムや国民への理解は、そう深くはないと思います。今後はさらに相互理解を深めていく必要がありそうです。

山口県阿武町の4630万円「誤送金」で男を逮捕

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山口県阿武町が新型コロナ対策としての給付金4630万円を誤って1人の男に振込んでしまった問題で、その24歳の無職の男が逮捕されました。

「誤送金」とは英語でどのように表現すればよいでしょうか?


 誤送金 
mistakenly / accidentally /erroneously
+
send / transfer / wire
+金額


ちょっと煩雑ですが、1対1で「誤送金」にあたる英語を探すというよりは、「誤って送る」と噛み砕くのが自然でしょう。

日本語は名詞でまとめる表現が多いのですが、英語は動詞+目的語+副詞などで表すのが普通です。

 mistakenly  誤って
 erroneously  〃


これらが「誤」にあたりますね。今回のケースには、こちらも当てはまると感じます。

 accidentally  偶然に・誤って

次に「お金を送る」です。

 send  送る

これは最も簡単かつ一般的な動詞です。

 transfer  送金する

こちらは口座から送金することに使われるフォーマルな「送る」でしょう。口座から口座へ「お金を移動させる」ことです。

ではこれはどうでしょうか?

 wire  電信で送る(電信振込など)

ちょっとカジュアルな表現かもしれませんが、wireは「電線」ですから、「電信振込」などとして使うことができます。

How to wire money overseas
海外に送金する方法

のように使います。



 記事の英語 

Sho Taguchi, a 24-year-old resident of Abu in Yamaguchi Prefecture, is accused of spending the money despite knowing it was mistakenly transferred to him, and had earlier refused to return it to officials.

山口県阿武町に住む24歳の田口翔容疑者は、誤送金されたと知っていたにもかかわらずそのお金を使った罪に問われている。これまでに、彼は返金を拒否している。



この男がやったことは常軌を逸しているとは思いますが、彼にすべてが被せられている感じがしないでもありません。

誤送金をやった側の責任や管理体制、改善策はどうなっているのでしょうか?町長の会見などを見ていると、このあたりが伝わってきません。


kirakira name - 戸籍記載「キラキラネーム」容認へ

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いわゆる「キラキラネーム」が幅広く容認される方向なのだそうです。

「光宙」を「ピカチュウ」と読むとか・・・


 kirakira name 
キラキラネーム


抜き出してみたものの、英語の世界で kirakira name はほとんど知られていない表現だと思います。

あえてキラキラに英語を与えるとすれば

 glittering  【形】光り輝く
 shining  【形】 〃

といったところでしょう。「キラキラネーム」は、日本の文化、特にアニメに好奇心を持つ人々の間で少し語られているくらいかもしれません。

最近
このような記事を見つけました。

Kirakira names are those that are not only unusual but use pronunciations of kanji that most people would not use or don't use at all.
キラキラネームは、珍しい名前というだけでなく、ほとんどの人が使わないか全く使わない漢字の発音を使う名前だ。

Kirakira is an onomatopoeia meaning "glittering" or "shining." Numerous anime names fall into this category, as they can be considered weird or uncommon.
キラキラとは、「光り輝いている」や「輝いている」の擬音語だ。数えきれないアニメ(キャラ)の名前がこのカテゴリーに当てはまる。それらは風変りまたは普通でないと考えられているからだ。

 onomatopoeia  
擬音語



社会通念にそぐわないからとか、変わっているからといって、親の「命名権」を制限するのは反対ですが、名前は一生ついてくるものです。その子の成長過程で幸せに暮らしていけるのか、親はよく考えないといけないと思います。


reversion - 沖縄返還から50年、バイデン大統領メッセージ

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沖縄が1972年に日本に復帰してから50年が経ちました。

バイデン大統領は、メッセージを寄せています。


 reversion 
(土地・財産の)復帰・返還


reversion は法律の専門用語で、普通に「復帰」というなら、return でもよいと思います。普段の生活で触れる単語ではないでしょう。

Cambridge Dictionaryによれば、
a return of something to its previous owner
何かを元の所有者に返すこと

という法律用語だと定義されています。



 大統領のメッセージ 

Today marks 50 years since Okinawa's reversion to Japan, and I want to extend a message of friendship and remembrance to the people of Okinawa.

沖縄の日本への返還から、今日で50年を迎えます。沖縄県民の皆さまに友好と追悼のメッセージを送りたいと思います。



大統領のメッセージ自体は、全体的に当り障りのないあいさつ文だったと言えるでしょう。

ただ、近年の沖縄周辺の国際情勢を考えると、もう少し安全保障に関して踏み込んだメッセージを一般人にも発してほしかったと思います。

saturate - 知床沖観光船沈没 「飽和潜水」で船内捜索

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知床沖で沈没した観光船「KAZU I」は、水深約120メートルの海底にありますが、その深さまで潜るには「飽和潜水」という特殊な方法が必要です。

今回は、潜水だけではない、saturate の使い方を見ておきましょう。


 saturate 
飽和させる
(液体で)満たす
頭をいっぱいにさせる


飽和潜水」自体は、 saturation diving  と呼ばれます。減圧症を防ぐため、あらかじめ体内にヘリウムなどの不活性ガスを飽和状態になるまで吸収させることで、加圧・減圧は特別なタンク内で行うものです。

コトバンクより

技術的な話は専門家に任せるとして、英語解説的には saturate の別の用法をマスターしましょう。

saturate には、水がもうこれ以上染み込まないところまで染み込んでしまうという基本的な意味があり、ここから「飽和」や、次のようなフレーズに発展します。

 (be) saturated with... 
~で頭がいっぱいである

もうお分かりですよね。悩みや考え事で頭が「飽和状態」であることを、日英では同じようなフレーズで表現することができるのです。

My mind has been saturated with images of war-torn cities after I watched news from Ukraine.

ウクライナ発のニュースを見てから、私の頭は戦争で荒廃した町の映像でいっぱいである。



 記事の英語 

Saturation divers first inhale a helium-oxygen mixture in a sealed deck decompression chamber on a specialized vessel before spending about a day adapting themselves to the pressure equivalent to that of the site where the sunken ship is located.

飽和潜水士は、特別な船の密閉された減圧室で、まずヘリウムと酸素を混ぜたものを吸引し、次に約1日をかけて、船が沈んでいる場所と同じ水圧へと自身の体を適応させる。



飽和潜水は、国内でも限られた人たちにしかできないものだそうです。危険を伴うと思いますが、何とか新たな情報が得られることを願っています。

unsettled - 習近平氏、ロシアのウクライナ侵攻に「動揺」とCIA長官

psnのコピー
これも情報戦の一環でしょうか?

アメリカの諜報機関、CIAのバーンズ長官が、ロシアのウクライナ侵攻にからんで発言し、中国の習近平国家主席が「動揺している印象を受ける」と語ったそうです。

その発言の中から、この形容詞が気になりました。


 unsettled 
動揺した


日本人学習者には、settled / unsettled を使う発想はなかなか出てこないかもしれません。

 settled  (気持ちが)落ち着いた
 unsettled  落ち着かない⇒動揺した

という使い方ですね。動詞 settle は、暮らしや生活環境が「落ち着く」という用法はよく出てきますが、精神面でも使うことができるのです。



 記事の英語 

The director of the CIA said that Chinese president Xi Jinping has been “unsettled” by the war in Ukraine, which had demonstrated that the friendship between Beijing and Moscow had “limits” at a time when western allies were moving closer together.

CIA長官は、習近平・中国国家主席がウクライナ戦争によって「動揺している」と述べた。西側同盟国がますます結束を固める中で、この戦争は中露の友好関係に「限界」があることを示していた。



バーンズ長官は、中国が台湾侵攻に向けて「生かすべき教訓」を慎重に見極めているとも語っています。

日本国内でもウクライナ戦争をきっかけに安保意識が高まっていますが、「中国が台湾に侵攻する」というシナリオ自体も、私たちが思いもしないような方法で忍び寄っているのかもしれません。